股関節の柔軟性!相撲の四股と股割りから学ぶ!
今回は違った視点からゴールキーパーを伸ばすヒントを見つけていきたいと思います!
実際に他競技から学ぶことは多くあります。
私自身もテニスやバレー、バトミントンなどの競技からヒントを得ることが多々あります。
今回はそれよりも違った視点のお話を聞かせてもらいました!
キーパーとフィールドプレーヤーには異なる点がある
サッカーの動作の上でGKはフィールドプレーヤーと大きく違う点があります。
特に違うのはセービングの際に地面により近い位置で脚を開かなくてはなりません。
フィールドプレーヤーはこういう動きをすることはありません。
当然重要になってくるのは股関節の柔軟性です。
例えば試合前に同じストレットをするにしても、GKが股関節周辺を入念に柔らかくするのに対して、フィールドの選手は
「痛たたた!」
で簡単(というよりいい加減)に終わらせていることも珍しくありません。
もしかしたら自分も?
「あれ、もしかしたら自分も」
と思い当たる節のある人も多いのではないでしょうか?
ただ実際に股関節を緩めるにしても、いわゆるストレッチを何となくやっている人も多いのではないでしょうか?
大半の選手はいわゆる開脚をしているはずです。でもそれって本当に股関節を緩められているのでしょうか
「俺、体固いから」
といって無理やり後ろから押して貰って、何となく開脚をした気になっているのではありませんか?
股関節の柔軟性を身につけるにはどんな練習をしたらいいのでしょうか?
相撲の四股(しこ)と腰割り
実は日本には古来から股関節の柔軟性を身につけるのに最適なトレーニングが存在しています。
それが相撲の四股(しこ)と腰割りです。
皆さんもご存知かと思いますが、お相撲さんの股関節の柔らかさは目を見張るものがあります。
大きなお腹が邪魔になることもなく、脚は180度に開き、おでこ、胸、お腹がペタリと地面に着くのです。
同時にこれができないことには相撲取りとは呼べないといわれるほどに、基本の基本でもあります。
どっしりとした下半身があの大きな体を支えるだけでなく見事に操るのには四股と股割りの存在があるのです。
特に大相撲の関取クラスとなると、その柔らかさは特筆ものです。中でも横綱・稀勢の里の股関節の柔らかさといったらビックリするほど。
画像は筆者が大相撲巡業で撮影したものですが、稀勢の里の蹲踞(そんきょ)の姿勢を取ると、脚がほぼ180度に開いています。さすがの一言。
ただ四股と腰割りといっても、見たことはあったとしても、実際にやったことのある人は少ないでしょう。
見よう見真似でやることもできますが、しっかりと股関節を柔軟にし、更に強靭なものにするには、正しいやり方を憶えることが重要です。
間違ったトレーニングは百害あって一利なしですからね。
四股
そこで今回は正しい四股と腰割りを身につける方法をお伝えしようと思います。
まずは次の動画をご覧ください。
まず基本姿勢です。
両足を外側に向けて、肩幅よりもやや広く開いて立ちます。
手は太腿の外側にそっと置く程度。
次に体重を片方の足にゆっくり乗せます。その時、決して無理やり上げようとせず、自然な体重移動で足は上がるところまでで構いません。
片側の足に体重を乗せ、逆の足が上がる所まで上げたら、できれば数秒その状態をキープします。
そして足をスッとおろす。その時におろす足に力を入れて地面を踏みしめる必要はありません。
むしろ力を抜いて、股関節を固めずに柔らかくおろすようにしてください。
これが四股の基本です。
体感してみてください!
実際にやってみると驚くほど自分の足が上がらないのが分かると思います。
しかし誰だって最初はできません。お相撲さんも最初からできた訳ではありませんからね。
腰割り
次に腰割りです。
四股が少しハードルが高い場合、こちらのほうがやりやすいはずです。
特にジュニア世代の選手には腰割りのほうが股関節を緩める感覚がつかみやすいでしょう。
基本は四股と同じで、腰を下ろすときに力を入れずにスッと落とすようにすること。
そして立ち上がる時はできるだけ太腿の前の筋肉ではなく、ハムストリングで立つことを意識してください。
心がけてほしいこと
最後に四股、腰割りに共通した心がけて欲しいことがあります。
それは基本姿勢を取る時に、おへそから指の幅2本分下にある丹田(たんでん)を少しだけ前に押し出すようにしてみてください。
そうすることによって自然に力が入るようになります。
こういう身体感覚は日本人が古来から持っていたものですし、四股も腰割りもその重要性が理解されているからこそ、数百年の相撲の歴史の中で、今でも基本の基本として重用されているのです。
当然四股も腰割りもGKだけでなくフィールドの選手にも非常に有効です。
練習のウォーミングアップのメニューに組み込んでみてはいかがでしょうか?